ビーツ、ジャガイモ、野菜から作られるスープ、ボルシチは東欧やロシアの各地で晩ご飯の食卓に出されます。
しかし、ボルシチがどこで生まれたか、ウクライナとロシアの間で議論の論点となっています。両国間の今回の戦争が始まったずっと前からのことです。
But where it originated has been a bone of contention between Ukraine and Russia since long before this war between the two countries ever began.
a bone of contention : 争いのもと、不和の種、議論の論点
金曜日、その論争はより一層激しくなりました。国際連合の文化機関であるユネスコが、ウクライナのボルシチの料理法を、緊急に保護する必要がある無形文化遺産のリストに追加したのです。
On Friday, that debate got even more heated when UNESCO, the United Nations cultural agency, added the cooking of Ukrainian borscht to the list of intangible cultural heritage in urgent need of safeguarding.
intangible : 無形の、実態のない
ウクライナの文化情報政策相は「ボルシチ戦争の勝利はわれわれのものだ!」と声高に主張しました。
“Victory in the war for borscht is ours!”
もちろんロシアは反論しています。
ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワ氏「それぞれの都市、それぞれの地域、それぞれの主婦が独自のやり方でそれを料理します。彼らは歩み寄りを拒むのです。それこそが外国人嫌い、ナチズム、あらゆる形態の過激主義なのです。」
“Each city, each region, each housewife prepares it in her own way. They don’t want compromise, and that’s xenophobia, Nazism, extremism in all of its forms.”
xenophobia : 外国人嫌悪、外国のものに対する恐怖症
これは国民の誇りとアイデンティティーに関わる一触即発の確執であり、その根は一杯のスープよりずっと深いのです。
A simmering feud involving national pride and identity that runs much deeper than a bowl of soup.
simmering : くすぶっている、一触即発の
run deep : 深く浸透している、深く根付いている
ウクライナ式のボルシチは、「パンプーシュカ」というふかふかのパンにニンニクを刻んでオイルをかけたものを添えるのだそうです。
CNN ENGLISH EXPRESS 11月号より
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