今月は「アンダーソン・クーパー360°」の代わりに、「ファリード・ザカリアGPS」です。
タイトルは、’Never-Ending Cycle’
イスラエルとパレスチナの問題です。(ちょっと長め)
イスラエルとパレスチナの間で戦闘が勃発すると、各国政府が沈静化を要請、停戦合意がなされる・・・数十年間同じパターンの繰り返しです。
It’s been the same way for decades.
専門家はこのような状況が続いていいはずがないと警告するが、この状況は今までも続いてきたし、今後も続くだろう。
and experts warn the situation cannot continue like this. But it has and it will.
イスラエルは今や、中東の超大国。国民1人当りのGDPは、エジプトの14倍、イランの8倍、レバノンの6倍、サウジアラビアの2倍なのだそうです。人工知能、航空技術、コンピューター支援設計、バイオ技術など極めて高度な技術に秀でており、GDPの5%を研究開発に充てています。これは世界のどの国よりも高いそうです。
またイスラエルは、中東で唯一の核兵器保有国で、核弾頭を100個近く保有していると推定されているそうです。
1967年、イスラエルはアラブ連合軍を6日間で破りましたが、今なら、そういった戦争は数時間で決着がつくでしょう。
Israel beat a combined Arab force in 1967 in six days. Today, the contest would be over in hours.
(今戦争が起こっているわけではないので、ここは仮定法ですね)
イスラエル経済はあまりにも強大になりました。
Countries like Russia and India, once very wary of it, now eagerly court Israel and its tech industry.
court : ~の関心を得ようとする
イスラエルは強大で豊かな国だが、500万人近い(パレスチナの)人々を政治的諸権利を与えることなく支配下に置いています。
Israel, a powerful, rich and secure nation, is ruling over nearly 5 million people without giving them political rights.
そして、ザカリア氏は次のように結んでいます。
There are many in Israel who argue passionately that it can find a way for Israelis to have security and Palestinians to have dignity.
イスラエル国民は安全を、パレスチナ人は尊厳を享受できる道があるはずだと熱意をもって主張する人達がイスラエル国内には大勢いる。
ザカリア氏の唯一の希望は、そう考える人たちが力をつけて、いつの日かイスラエルを率いて、パレスチナ人自身の国家の創設を実現させることです、と。
後半はアントニー・ブリンケン米国務長官のインタビューでした。イスラエルがこれほどの大国になったのにはアメリカの後ろ盾があったはずなのに、責任逃れのような、人ごとのような発言に感じました。
たたみかけるザカリア氏に、
They have to make their own judgments, and a government will be formed eventually, one way or another. We leave that to the Israelis.
But again, these are decisions for Israelis to make, not for us.
そうした決断を下すのはイスラエルの人であって、私達ではありません。(ブリンケン氏)
CNN ENGLISH EXPRESS 8月号より
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